おだやかな毎日を綴ります。おだやかでない時も正直に。       


by koko_blanca
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迷子の仔猫 10



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陽射しはあるけれど然程暑くない。
海からやってくる風が心地良く部屋に入り込む。


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古タオルとダスターを用意する。
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ダスターは水を含ませて絞る。
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迷子の猫を保護していますポスターの回収をした。
残念ながら飼い主さんからの連絡は無かった。





バスターミナルでは

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とても目立つところに貼ってくださったのに。

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剥がしてダスターとタオルで丁寧に窓拭きをさせて頂いた。




大きなスーパーでも

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掲示板に貼ってくださって

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目立っていたと思う。

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床屋さんでは

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目立つ様に入口に

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イーゼルを使って可愛く置いてくださった。

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でも...飼い主さんは現れなかった。
ポスターが足りなかったのだろうか...
それとも、この近辺には住んでいらっしゃらないのだろうか...
それとも...



そんな沈んだ気持ちになっていたポスター回収の前夜、
夫が嫌なことを言った。


会社の人に聞いたらしいのだが、何でも、
捨て猫をする時は、生まれた子を全部一緒じゃなく、
あっちの公園、こっちの駐車場、向こうの畑とか、
足が付かない様に(?よく意味がわからないがそう言った)、
一匹ずつ分けて捨てるのだそうだ。
だからこの子の様に、一匹だけで泣いている子も少なくないらしい。
だから...この子は捨て猫かもしれないと。


気分が悪くなった。


自分の飼い猫が生んだ仔猫を、一匹ずつ離して別々の場所に捨てる...?
そんなことってあるのだろうか?
避妊手術はしないのだろうか?
ヒートが来て交尾して妊娠、産んで、仔猫を捨てられて、
また、すぐヒートが来て交尾して妊娠、産んで、仔猫を捨てられて。
ずっと...ずっと繰り返しているのだろうか?


涙が出てきた。


仮にもしこの子が最初の妊娠で生まれた子であったとしても、
捨てる?しかも別々の場所に?こんなに小さいのに?
なぜ里親さんを探さないの?
それよりも前に、なぜ...なぜ、母猫の避妊手術をしない?!
飼い主の怠慢、それは、
飼い猫への虐待ではないの?





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先程まではおんもを見ていました...






それでも翌日、ポスター回収の日は少し明るい気持ちだった。
里親さんになりたいという人がいると電話をもらっていたから。


「連絡をください」と留守電に入っていた。
それは「すぐに剥がしても良いよね」と渋々貼ってくれたカフェの方からだった。
あっ!まずい...と思い、すぐに掛け直した。
丁度一週間過ぎた日だったので、剥がしたいということだと思ったのだ。

すぐに「すみません!ポスター剥がして処分して頂いて結構です!」と言った。
そしたら笑いながら、「ははは、そうじゃなくて...飼い主さん見つかりましたか?」。
ポスター貼りをお願いした時とあまりに声のトーンが違い優しいので、びっくりしながらも
「まだ見つからないんですよ...」と。そしたら、
「可愛いから飼いたいというお客さんが何人もいるんですよ」と。
...何人も?!...驚いた!

もう数日だけ飼い主さんを待ってみます。ポスター回収には伺いますので
どうぞよろしくお願いしますと伝えて電話を切った。



そこではお話しに時間がかかるだろうと考え、他を回ってからにしようと思った。
ポスターを貼らせて頂いた他のお店を回り、お礼を申し上げ、ポスターを剥がし、
糊残りや汚れを丁寧に拭く。
一軒一軒時間を掛けて感謝の気持ちで拭かせて頂いた。
道行く順番を考えて酒屋さんを最後にし、その前にカフェに伺った。


「ご連絡をくださって本当にありがとうございます」

「飼い主さん見つかった?」

「残念ながら...。でも有り難いです、
里親さんになりたいとおっしゃる方が数名いらっしゃるとか?」

「ああね。皆、仔猫がオスだったら欲しいって。でもどうせメスでしょ?
三毛のオスは滅多にいないよねぇ」



.........。
そっちだったかー!




女の子ですと伝え、お礼を申し上げカフェを後にする。





どっと疲れた気持ちで最後の酒屋さんへ。
店主と思われる男性と、もう一人別の男性が椅子に座っていた。


「ポスター撤去に参りました。本当にありがとうございました」

「ああ!待ってたんだよ!」

「え?」

「三毛猫の飼い主見つかった?」

「いいえ...見つかりませんでした」

「オス?」

「(またか...)いいえ、女の子です」

それを聞いていた別の男性が、クソっ!と言い、大きく舌打ちをした。
びっくりしてその男性を見たら、
「オスだったらなー!100万だよ、100万!」




帰り道、とぼとぼと歩いた。
人のえげつなさに当てられて、気が滅入った。
疲れて気が滅入って、何も考えたくなかった。
でも、頭の中がどんどんいっぱいになってくる。

三毛猫のオスだったら100万で売れ、それを買う人がいる?
染色体異常で生まれてくるから数が少ないだけなのに。
なぜそれに希少価値が付くのだろう?
どちらも同じ命なのに。
小さいけれど、尊い命なのに。


あの子がもし男の子だったら、私は売る?
いや、そんなの、絶対にありえない。
一生大切に家族として迎えてくれる里親を探すだろう。
そもそも、命に値段て。
あの子に値段なんてつけられないよ...!

拾った時はまだミルクと離乳食の境目だったんだ。
そんな時に母猫から離されてどんなに心細かっただろう。
でも、ミルクも一生懸命飲んで、離乳食も一生懸命食べて
健康で手もかからずに良い子ですくすくと成長している。
生きようと頑張っているんだ。こんなに小さいのに。
そんな子にいくらいくらと値段をつけられる...?



あ。



私は...アケウを買ったんだ。

ブリーダーがつけた値段を払って、アケウを買ったんだ。
三毛のオスにつけた値段を払って、その子を買う人と何が違う?
金額の桁が違うだけで後は一緒だ。


なんだ...

私も同じ穴の狢だったんだ。




















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ごめんよ...
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by koko_blanca | 2011-06-29 15:21 | 美ら(ちゅらと読みます)