メインクーンのアンダーショット*アケウの噛み合わせと歯並び
2011年 09月 06日
おはようございます。
今日はアケウの噛み合わせ、歯並びについて綴りたいと思います。
アケウは下顎が上顎よりも前方に突き出ている噛み合わせをしています。
人間で言うと下顎前突、反対咬合。 わかりやすく言うと受け口ですね。
メインクーン・スタンダードではアンダーショットと呼ばれます。
...と、わかっている様な口振りで言いましたが、最初は私もまったく知りませんでした。
2010年1月の日記『アケウ生後8ヶ月*気掛かりなこと』でも綴りましたが、
メインクーン特有の噛み合わせかもしれないと思った時期もありました。
でも、もしすべてのメインクーンがこういった噛み合わせなら大変なことだとも思いました。
最終的には生命にも係わる大きな問題に成り得るからです。
後に調べてそうではないとわかりその事は杞憂に終わりましたが、
それで正常ではないとわかったアケウの心配と不安だけが残り...
とても悲しかったです。
ここからはread moreで綴ります。
テキストと共に、アケウの噛み合わせ、歯並びの写真も貼って綴っておきたいので。
私は猫飼いなので、猫の口の中を見ても何ともないのですが、
見る方によってはあまり気持ちの良いものではないかもしれません。
念のためにお伝えしておきますね。
歯並びや噛み合わせが正常ではないと、口腔内に雑菌が繁殖しやすくなります。
正常な子に比べるとどうしても多くなってしまう食べカスや唾液が、細菌群のエサとなり、
デンタルプラーク、歯垢を形成してしまうから。
増えた雑菌=病原性を持つ口腔内悪玉菌は、口腔内に留まっていてくれるはずがありません。
当然ながら唾液と共に胃に運ばれます。
そして、胃酸で死なない悪玉菌は腸に入って留まり、腸管免疫を下げるそう。
腸管免疫が下がれば口腔免疫も下がります。今度はそれが歯垢を形成する原因に。
口腔環境と腸環境は連動し繋がっているんですね。
なのでお腹の弱い、腸環境の良くない子は、
口腔内にも問題を持っている子が多いのではないでしょうか。
もちろんその逆も言えます。
腸内で増えた悪玉菌は腸から体内へ。 さまざまな全身疾患を誘発させます。
肺炎、心筋梗塞や動脈硬化、糖尿病などが有名ですね。
長くなるのでここでは取り上げませんが、口腔疾患と全身疾患の関連性は周知の通り。
歯垢や歯周病がそんな大変なことになるの?!と思った方は
どうぞ調べてみてくださいね。検索すればいくらでも山の様に出てきますよ。
静かで落ち着くお部屋で一人、ゆっくりとお昼寝をさせています。
病気の養生、免疫力の回復にはストレスの無い環境が必須です。
心身ともにリラックスしています。
アケウ。
少しだけお口の中を見せてね。
正面から。
若干角度を変えて。
少し閉じ気味にしたところ。
下の門歯(切歯)が4本しかありません。
(この数日後もう一本抜けたので3本になりました)
バラバラの歯並びが原因でぶつかり合って負担がかかり、
どんどん抜けていきました。
ほぼ真下から
わかりやすく青色の曲線を引いてみました。
門歯の並びは正常だと横一文字または緩やかに中ほどが出ているのですが
アケウの場合、極端に奥に引っ込んでいます。
しっかり口を閉じたところ。
上の門歯の中3本はすっかり中に入り込んでしまっています。
向かって右端の一本が下の門歯と犬歯の間、
その隣の門歯が下の歯肉にぶつかり、
左端の門歯はその下の歯肉にぶつかっています。
なので、普通にしていても痛くてしっかりと閉じること、
噛み締めることすら出来ません。
ちなみにこちらは正常な噛み合わせと歯並び。
クリックで拡大します。
比べると随分違います。
...比べなくてもアケウは随分酷い噛み合わせと歯並びとわかりますね。
こういった異常な歯並びと噛み合わせなので
ごはんを食べる時は元より、何もしていない時も顎をガクガクとしたり、
歯が擦れ合う音、時には痛そうに「くぱっ!」と口を開ける時もあります。
臼歯も問題があるのですが、今日はここまでとします。
はい、ありがとうね。
メインクーンのアンダーショットは問題が無いと言う方もいます。
キャットショーに出すならともかく(アンダーショットは失格の様ですね)、
ペットとして飼うならなんら問題が無いと。
確かにアンダーショットでもごはんは食べられます。
食道を通過出来る大きさの食べ物であれば猫は噛まずとも飲み込めますので。
なにより、食べないと生死に係わりますからね。本人は必死で頑張って食べます。
そういった意味では問題が無いと言えるでしょう。
でも、先程からお伝えしている様に、歯並びや噛み合わせが正常ではないと、
口腔疾患になるリスクが非常に高まります。
それは正常な子の比ではない。
歯周病を初め、口内炎、最悪は口腔ガンにまでなる可能性をはらんでいます。
そして...全身疾患へ。
これでも問題が無いと言えるでしょうか。
アケウがアンダーショットとわかってから、
忘れることなく心配と不安がいつも心を過っていました。
...正しくは、それが起因となって起こり得るかもしれない疾患を...ですね。
私がアケウを口内炎にしてしまった原因は
沢山のことが重なってしまったからだと推測しているのですが、
その中の一つ、口腔内のことにしても、
もっと私が気を配っていたら
もっと真剣に予防に取り組んでいたらと
悔やまれてなりません...
*参考にさせて頂きました。
Cat's専科NinnaNanna ナンナさんの『口腔ケアの考え方』(ページ後半)
日本大学歯学部 細菌学教室
『口腔細菌や口腔疾患が原因、または誘因とされる全身疾患』
*キレイな噛み合わせと歯並びの猫さんの画像は
『パンダだんご』のパンダさんからお借りしました。
愛猫モンちゃんのお口のお写真です。
感謝致します。ありがとうございます。
*口内の撮影について
わかりやすい様に指で口を押さえていますが、ごく軽く添える程度です。
口を無理にこじ開けたり押さえたりなどということはしていません。
片手にカメラ、片手をアケウの口に...を想像して頂けると
アケウが自身で無理なく開いたのを撮影したのだとご理解頂けると思います。
...猫の口内は本猫が余程リラックスしていないと撮影者一人では無理ですよね。